これまでの取り組み

2011年度

  • 「障がいのある人たちの介護や保育の場での活躍を伝える<いきいき生活支援員 就労推進フォーラム>」を2回開催し、同時に受入マニュアルの作成、受入事業所のスタッフと本人の合同研修を行った。
  • ダイトロン調査研究事業「介護現場等での働き、その機会のインセンティブとなる資格認定制度のしくみづくりの調査研究」については、介護や保育の現地聞きとりと「いきいき生活支援員」のしくみづくりを検討した。

2012年度

  • 「しが地域支え合いづくり促進事業/施設・作業所の地域支え合い機能強化事業」の中で、「介護現場等での働き、その機会のインセンティブとなる資格認定制度のしくみづくりの調査研究」を引き継ぎ、「いきいき生活支援員」のしくみづくりを検討した。
  • また、「障害のある人たちの介護現場・保育現場での雇用受入れQ&A集」の作成、介護事業所・保育の現場に勤務する障害のある人を対象としたスキルアップ研修(全4回)の実施、現在勤務している人や目指している人との交流会、障害のある人の職場適応と定着支援をテーマにした、受け入れ側のサポートの有効性についての研修会も行った。
  • さらに、実際に働く人たちの活躍や受け入れ側の人たちの現場の声を伝え、障害のある人たちの働く場を拡めるためのフォーラムを行った。

2013年度

  • 平成22年度に続いて、障がいのある人たちの介護分野での雇用(就労)実態調査を行った。前回に比べれば簡易な調査であったが、雇用数や障がい種別、施設・事業所種別や圏域別数などの貴重なデータを得た。特に雇用数では前回の60名から、わずか3年で103名と飛躍的に伸びた。
  • 滋賀県、滋賀県社会就労事業振興センター、街かどケア滋賀ネットが協働して取り組んできた成果を誇るとともに、いっそうの雇用開拓・就労促進のために「障害者の介護現場等での就労促進研究事業」を行った。
  • 保育や介護分野等で働く障がいのある人たち(「いきいき生活支援員」)の現任研修として食事準備・片付けや車いすの使い方等の「スキルアップ研修」を行った。例えば手洗いやうがいの実際について、大いに参考になったという声が聞かれた。
  • この「スキルアップ研修」後等に「いきいき生活支援員交流会」を実施した。1回目は、これから就労をめざす人たちの参加もあり活発であったが、2回目は参加も少なく開催曜日や場所等に課題を残した。
  • それぞれの介護の場で「いきいき生活支援員」の就労を支援する担当スタッフを対象に、「内部ジョブコーチ研修」を実施した。障がいの基礎知識や“ならでは”の働き等の学びも大きかったが、参加者同士の意見交換や相談も大いに参考になったとの声が上がった。
  • 平成26年3月に行われた「いきいき生活支援員の介護の場等での活躍を伝えるフォーラム」では2事業所で働いている「いきいき生活支援員」についての報告があった。
  • 宅老所で働く女性スタッフが目の前のおとしよりにゆったり感を提供するだけでなく、職場や時には近隣地域にまでそのゆったり感を提供することが報告された。特別養護老人ホームで働く男性スタッフについては、介護の仕事へのサポートはむろん、運転免許の取得に対しても、そのユニットのチームが応援したというほほえましい事例が紹介された。
  • その後の鼎談ではこれまでの12年間の振返りの中から、再度「いきいき生活支援員」の雇用の意味と必要性が確認された。また雇用の推進のためには滋賀県らしい制度化を関係機関が協働して進めていくことが確認された。
  • 「マニュアル・Q&A」集の作成においては、今年度も2名の「いきいき生活支援員」の現地ルポを掲載した。また雇用事業所一覧を掲載し、雇用相談や職業生活支援の相互相談に備えた。今後の雇用事業所のネットワーク化につながる一歩かと考えられる。
  • 平成12年から始まった「知的障害者ホームヘルパー養成研修・就労モデル事業(現知的障害者介護技能等習得事業)」をベースにした「いきいき生活支援員」の介護の場等での活躍(雇用・実習等)は、前述のように現在103名に拡がっている。特にそれぞれの“ならでは”の働きは認知症を抱えるおとしよりの生活のリズムに合い、おとしよりにより大きな安心感やゆったり感や生活感を与えている。
  • また従来スタッフの振返りにつながったり、チームワークの推進に貢献するなどの役割を果たしている。
  • 今後いっそうの雇用の拡充をめざすために、上記のスキルアップ研修等を実施してきた。それらをまとめ「障害のある人の介護現場での働きとその機会のインセンティブとなる資格認定に係る政策提案」として8月に滋賀県に対し制度提案を行った。これを受けた滋賀県は平成27年度からの滋賀県らしい「いきいき生活支援員」の制度化に向けて動き出した。
◆2013年度作成「障害のある人たちの介護現場・保育現場での雇用受入Q&A」→Q&A集

2014年度

○「いきいき生活支援員」の制度(事業)化

1.おとしより・事業所・地域よしの“ならでは”の働き

  • 「介護の場における知的障害者就労促進検討事業」の中の検討委員会や内部ジョブコーチ研修や制度説明会の中で報告された。

2.「介護の場における知的障害者就労促進検討事業」

① 平成27年度からの本格実施に向けたカリキュラム等の検討

  • 滋賀県障害福祉課、滋賀県社会就労事業振興センター、街かどケア滋賀ネットが、次年度からの制度化に向けてカリキュラムの検討を行った。制度内の県独自部分、スキルアップ研修、内部ジョブコーチ研修とも、大項目のみの設定とし、介護環境等の変化に備えられるようにした。

② 検討委員会の実施

  • 前記三者に加えて雇用事業所、雇用支援機関、有識者等からなる検討委員会を4回行った。上記カリキュラムの検討と下記モデル研修の結果をまとめ、滋賀県に対していきいき生活支援員の制度化へ向けての制度提案を行った。

③ 介護の場で働く障害のある人たちのスキルアップ研修会・交流会(意見聴取会)

  • 前年度のヒヤリング等で働く本人や雇用事業所スタッフ等から要望のあった「清掃技術」や「介護実技」(車いすの押し方等)等について、講義と実技を行った。

④ 内部ジョブコーチ研修(集合・出前)・交流会(意見聴取会)

  • 集合研修では「障碍の基礎知識」や「雇用支援機関について」等について学んだ。特に集合研修の中で行われた各事業所間での意見交換は貴重な機会となった。

⑤ 「いきいき生活支援員」制度説明会(フォーラム)

  • 議会で承認された「いきいき生活支援員」の制度についての説明と、いきいき生活支援員本人、雇用事業所スタッフ、雇用支援機関スタッフによるシンポジウムが行われた。15年の実績の上で出来上がった滋賀県ならではの中味と、今後の雇用の拡がりへの期待が膨らんだ。また同時に制度の展開についての責任の重さも感じた。

○“ならでは”の働きの見える化事業

  1. 「いきいき生活支援員」の雇用促進に向けて
  2. “ならでは”の働きの客観化・データ化
  • 障碍のある人たちが、介護の場で働く際に醸し出す安心感やゆったり感を“ならでは”の働きと位置付けてはいるが、実習や雇用のお願いの際に、その根拠についてのを求められることが多い。すでに働いておられる人たちについて客観的なデータを取ることが出来れば、よりいっそうの雇用促進が期待される。
  • 龍谷大学と連携して上記検討委員会や龍谷大学で、村井教授、栗田教授、滋賀県社会就労事業振興センタースタッフ、働き暮らし応援センタースタッフが、調査のねらいや調査項目、調査方法について協議した。
  • 2年がかりで民間助成金に応募、調査に掛かる費用助成を「丸紅基金」に応募したが、採用に至らなかった。

2015年度

〇「いきいき生活支援員」の事業運営(協力)

  • 介護事業所職員研修(内部ジョブコーチ研修・代表者管理者研修)
  • 「いきいき生活支援員」更新研修(スキルアップ研修)
  • アンケート調査等の実施
  • 標記事業の運営組織である「担い手会議」に、街かどケア滋賀ネット役員が委員として参加し、上記研修等の実施に協力した。

〇“ならでは”の働きの見える化事業(ダイトロン福祉財団障害者福祉助成金)

  • ダイトロン福祉財団障害者福祉助成金、調査研究事業の部で採択された
  • 「いきいき生活支援員に多く見られる“ならでは”の働きの見える化に向けての予備調査」として、「いきいき生活支援員」の一層の雇用促進に向けて、県内4事業所において予備調査を行った。“ならでは”の働きの見える化、数値化・客観化をするために、調査の対象や調査項目、調査の方法や分析方法を決める為の予備調査とした。なお、予備調査の倫理審査は、標記検討委員会に委員として参加されている龍谷大学に依頼をした。今回の予備調査の報告は、別途準備をした。

2016年「”ならでは”の働きの見える化事業」

  • ダイトロン福祉財団障害者助成金、調査研究事業の部 で採択 されました。
  • 昨年度の予備調査に引き続、 2年目の調査となり、「いき生活支援員に多く見られる“ならでは”の 働えの見える化にむけての本調査」として、「いきいき生活支援員」の一層の雇用促進に向けて、県内4事業所において本調査を行いました。
  • ”ならでは”の働きの見えるか、数値化・客観化をするために、調査項目を「ゆったり感」のみに絞り、「いきいき生活支援員」がお年寄りに対して、一番「ゆったり感」を醸し出す場面を、「いきいき生活支援員」、「障害のないスタッフ・職員」の両方に対して、ビデオカメラでの撮影を行いました。
  • 分析は、示された分析項目(指標)について、委員が一人で当たる「主観的分析」、二人で確認しながら行う「客観的分析」の両方を行いました。なお、調査の倫理審査は、表記検討委員会に委員として参加されている龍谷大学に依頼しました。

2017年度「”ならでは”の働きの見える化事業」

  • ダイトロン福祉財団障碍者福祉・京都新聞助成金で採択されました。
  • 2015年度の「”ならでは”の働きの見える化」についての予備調査、2016年度の「ゆったり感」についての本調査に引き続き、分析のための追加調査を行いました。
  • 「いきいき生活支援員に多く見られる”ならでは”の働きの見えるかに向けての追加調査」として、「いきいき生活支援員」の一層の雇用促進に向けて、県内4事業所において使調査を行いました。
  • ”ならでは”の働きの見える化、数値化・客観化をするために、調査項目を「ゆったり感」のみに絞り、本調査に加えて精密な分析のために時間設定、場面設定を厳密に行い、障がいのないスタッフを被写体とした場面などの追加撮影を行いました。
  • 分析は、示された分析項目(指標)について、「主観的分析」「客観的分析」の両方を行いました。なお、調査の倫理審査は、表記検討委員会に委員として参加されている龍谷大学に依頼しました。
  • 過去3年間の調査結果を当ネット・担当(野村)が滋賀県社会福祉学会で報告しました。

2018年度

  • 2018年度は、事業としての助成が受けられなかったため、次年度に向けての準備会を2回開催しました。
  • 準備会では、次年度の取り組みとして、これまでの「”ならでは”の働きの見える化事業』の成果のまとめ、発信用パンフレットの作成と啓発、「いきいき生活支援員」の活躍が伝えられるフォーラムの開催が出来るよう、助成金の申請を行いました。